ちょっといい話

第5回

児童虐待のない世の中へ


 「児童虐待」は以前から問題となっていますが、最近も「児童虐待」のニュースが後を絶ちません。死に至ってしまうケースも数多く報道されており、その度に心が痛みます。

 厚生労働省の調査によると、2010年度中に被災地(宮城県、福島県、仙台市)を除く児童相談所が対応した児童虐待の相談件数が、初めて5万件を超えたということです。なぜ児童虐待が起こってしまうのでしょうか、そして、なぜ児童虐待を防ぐことができないのでしょうか。

 文部科学省では、子どもへのしつけにつき「こどもを虐待から守る5ケ条」を掲げています(平成22年版「家庭教育手帳」参照)。

1.おかしいと感じたら迷わず連絡〈通告してください〉

2.「しつけのつもり・・・」は言い訳〈子どもの立場で判断〉

3.ひとりで抱え込まない〈あなたにできることから即実行〉

4.親の立場より子どもの立場〈子どもの命が最優先〉

5.虐待はあなたの周りにも起こりうる〈特別なことではない〉

 子どもとは、常に親の「ぬくもり」を求める存在です。親から愛されていると感じるとき、子どもは心身ともに安定するのです。

 そうであるからこそ、親からの虐待は、子どもの心に大きな傷となって残ります。自分に自信が持てなくなったり、自傷行為など精神的に不安定になったり、中には将来自分自身の子どもに虐待を加えてしまったりするなど、大人になってからもその悪影響は残ると言われています。

 児童虐待防止法では、誰も子どもを虐待してはならないとされ、虐待を受けたと思われる子ども(受けた子どもではなく、受けたと「思われる」子どもです)を発見した人には、児童相談所や市町村の相談窓口、福祉事務所に通告する義務があるとされています。子どもを守ることは大人の義務なのです。

 現在、厚生労働省では、育児や子育てに悩んだとき、虐待を受けたと思われる子どもを見つけたときなどに、ためらわずに児童相談所に電話できるよう、全国共通の電話番号(0570-064-000)によって、最寄りの児童相談所に電話がつながる仕組みを導入しています。

 児童相談所などの関係機関へ虐待の事実を通報することで、虐待者からの仕返しを恐れる人もいることでしょう。しかし、児童相談所が通報者側の情報を教えることは絶対にありません。私達としては、取り返しのつかない事態になる前に、ためらわずに児童相談所へ連絡をすることです。虐待の多くは、その家庭内で行われることから、外部からは発見されにくく、周辺からの通報が何よりも重要なのです。

 通報を受けた児童相談所の職員は、子どもの住居に立ち入って必要な調査をし、子どもを緊急に保護する必要が高い場合や、子どもの行動観察、生活指導が必要なときは、子どもを一時的に保護者から切り離して保護をします。その後、必要に応じて施設の入所などの措置をとっていくことになります。

 私は、現在、愛知県からの委託により、児童相談所の代理人を務めることがあります。一時的に子どもを保護した児童相談所は、半永久的に親と子どもを切り離すのではなく、親とかかわっていきながら、状況によっては親子の再統合を図ることができないのかを模索しています。中には、再統合が成功し、現在、親の下で幸せに生活している子どももいます。

 児童相談所として、一般家庭にどこまで介入することができるのか、子どもを親元に返した後にどこまでかかわっていくのか、児童相談所に課せられた問題も数多く残されていますが、今後も児童相談所の役割は重要視されていくと思います。

 一人の子を持つ母親として児童虐待のない社会を願ってやみません。

ご相談お申込み 052-972-0091

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